結婚する前に大恋愛をし、お互いを信じあいどんなことがあっても浮気はしないと約束した主人と私でした。
子供も二人産まれて10年が経ち、私も主人もお互いの仕事も順調で、子供も素直で可愛くすくすくと成長し、マイホームも購入して全てが順調かと思われた翌年、事件は起こりました。
主人に転勤の辞令が下りたのでした。
自宅から通える距離ではない場所への転勤でした。
マイホームも購入したばかりで空き家にしたくないし、子供も転校をしたくないとのことで、主人に単身赴任してもらうことになりました。
主人も2年だけの限定だし、新幹線に乗ればいつでも会えると、単身赴任に前向きでした。
元々主人は結婚する前に独り暮しを経験していたので、掃除洗濯料理はお手のものです。
そう言った点では特に心配していませんでした。
しかし、主人は私が言うのも何ですが、女性からモテるのです。
こればかりは主人の生まれ持った顔立ちや背丈やしぐさや話術がそうさせるので、モテないように振る舞えと言っても難しいはなしです。
ですから、女性からの誘いなどと言った点はかなり不安でしたが、主人は「信用してくれ。大丈夫だから。」と不安を解消させてくれました。
遠距離の生活の距離を埋めるのは、テレビ電話でした。
子供は毎日の出来事を主人に報告しますが、テレビ電話だと顔の表情が映し出されるので、まるでそばで話をしているかのようでした。
子供の話が二時間ほど終わると、次は私との会話になります。
主人の仕事のことや、現地の様子など事細かに話してくれました。
このやりとりが楽しくて最初は毎日のことだったのですが、主人が残業で1週間に3回が2回、半年すると1回もないと激減しました。
仕事だからと子供は割りきっていましたが、私は体の心配とあの女性の心配から、思いきって主人に内緒で主人の借りているマンションに訪れました。
主人が仕事から帰宅したら驚かせようと合鍵で部屋に入ると、きちんと整理され掃除の行き届いた部屋はさすが主人と思いました。
しかしキッチンに立つとお皿がまだ洗っていない状態でした。
マグカップとスプーンとトーストを食べた形跡の皿が2客ずつ、シンクに残っていました。
1つのマグカップには口紅の後が残っていたのです。
私は絶対に女性が泊まったのだと思いましたが、真実を聞くのが怖くて主人には聞けず、一泊したのちに自宅に戻りました。
しかし、あのマグカップの件が忘れられずにいました。
確かめたいが知るのが怖いと揺れていた心ですが、友達がご主人の浮気調査に探偵事務所を使って証拠を掴んだとの話を聞いて、私も勇気を出して探偵事務所に主人の浮気調査をしてもらおうと思いました。
友達が利用したことのある事務所なら心配ないと、同じ探偵事務所を利用する予定です。